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短縮性動作と伸縮性動作 |
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筋力トレーニングの注意点
もちろん、筋力トレーニングの注意点といっても、さまざまに論じられるでしょう。
ここでは、科学的には完全に実証はされてはいないものの、実験によってある程度わかっている事実を書こうと思います。
■二つの動作
たとえば、バーベルを使ったベンチプレスを例にとってみます。ベンチプレスではまずバーベルを持ち上げるという動作、そして持ち上げたバーベルを胸元まで下ろす動作の二つに大別することができます。
バーベルを持ち上げるときは短縮性動作、バーベルを下ろすときは伸縮性動作といいます。これはバイオメカニクスの分野の専門用語です。
通常は、バーベルを持ち上げるほうが踏ん張っている感じがして、このときに筋肉に刺激を与えていると考えがちです。
しかし、実は、バーベルをおろして、胸の筋肉を伸ばしているときにも筋肉に刺激が与えられています。
■どのポイントで筋肉は鍛えられるか?
実験結果によると、実は、バーベルを持ち上げるときよりも、バーベルをゆっくりおろすときのほうが、胸の筋肉により刺激を与えているそうです。
バーベルをおろしているときに、筋繊維はより破壊されているということですね。つまり、修復したときには、以前よりも太い筋繊維になれるということです。
この事実はしっかりと認識しなければなりません。この事実を知っているのと知らないのとでは雲泥の差があります。
バーベルでトレーニングするときは、持ち上げるときよりも下げるときを、より意識して行いましょう。下げるときにスピーディーにやってしまうと、せっかくの効果が台無しになります。ここがもっとも筋肉に効くポイントだからです。
このことからいえば、油圧式のマシンは筋肉をあまり鍛えることができない、ということになります。
筋肉が収縮するときには力がかかりますが、戻るときは負荷がかからないからです。効果が半減しています。まだ、ラバー方式のほうがましかもしれません。しかし、ラバー方式も戻るほどに負荷が激減しますから、もったいないですね。
スポーツジムのマシンも、戻るときに負荷をかけすぎると、筋繊維に負担がかかりすぎるということで、戻るときの負荷を「わざと」弱めているものもあるようです。
ですから、本格的に鍛えたいアスリートは、ジムのマシンがそのようになっていないか注意したほうがいいです。
山登りを久しぶりにしたあと、筋肉痛になるのは、登るためではなく、降りるときに筋肉に急ブレーキがかかり、そのために筋繊維が断裂するためなのです。
なんか、人生みたいですね。人は何かに挑戦して緊張している間は、健康であり、はつらつと充実しています。しかし、一旦頂点に立つと、心しないと、堕落しがちなのかもしれません。
■代償動作に気をつける
代償動作とは、ある筋肉を鍛えているときに、反動をつけたりなどして、無意識に補助してしまい、本来の効果を減じてしまうような動作のことをいいます。
トレーニングは自分の筋力を向上させるため、あるいは何か目的があって行うものです。
それを忘れて、他人の目を気にしたり、変に競争心を持ったり、はやる心を持ったりすると、こういった代償動作をしてしまう危険があります。
これを防ぐには、いまどこの筋肉を鍛えているのか、なにを高めたいのかを意識することが第一です。そして、ウエイトトレーニングで代償動作をしないようにするには、ゆっくり動かすのもよいでしょう。
速く動かそうとすると、反動をつけてしまい、他の筋肉を使ってしまうからです。
本当に、筋力トレーニングというものは正しい知識なしでは、思うように上達しないものですね。
このほかにも、超回復の原理やアミノ酸の補給などトータルに考える必要がありますが、他のページに譲ります。
これは筋力トレーニングに限ったことではありません。何事においてもそうだと痛感します。
まず、正しい知識をしっかりと身に着けることに専念する。
なぜ、知識がないままトレーニングをしようとするのか・・・それは、「はやく筋肉をつけたい」「はやく効果がほしい」と焦るからでしょう。
しかし、本当に成功したいなら、まずは正しい知識を身につけることが一番の近道なのです。
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