不眠症の対策方法と、睡眠薬の副作用や危険性を解説しています。
不眠症対策〜寝付けない夜にTOP > 不眠解消の方法とは? > 自律神経と不眠の関係とは?
自律神経は不眠や睡眠と深く関わっています。
ご存じのように自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
お互いに明と暗、動と静の関係であり、シーソーのようにバランスを保って生命を自動的に維持しています。
しかし過度なストレスがかかると、寝る時間になっても交感神経が優位になったり、自律神経失調症になったりして、自律神経で不眠を引き起こすことになります。
不眠症の原因を紐解いてみれば、その背後には、必ずといってよいほど自律神経の乱れがあります。自律神経が正常で、副交感神経が優位に傾いているのに、不眠症になることはないわけです。
人は朝起きる時間に近づくと、だんだん副交感神経から交感神経に切り替わっていきます。それは血中のコルチゾール濃度が高まるからです。人は何時に起きると決めてから眠ると、その時間の約1時間前くらいから、コルチゾールが増えてきて、自然に目覚める特性があります。これはストレスを、うまく睡眠に活用した例です。ストレスも、すべてが不眠の原因になるのではないわけです。
自律神経は不眠を引き起こす原因になるというのは、主に精神的なストレスが関わっています。日中に大変なことがあったり、悩みを抱えていると、夜眠るころになっても寝付けないということが起こります。それは、まだ脳が回転を続けて、神経が興奮しているからです。
大脳辺縁系の感情を司る部分が興奮して、あれこれと不安になって、神経の伝達が止まらないわけです。大脳辺縁系からの情報を受け取った視床下部は、全身に交感神経を優位にするように指令を発します。それをうけて交感神経系が優位なり、また副腎髄質からホルモンが分泌されます。アドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンです。
こうしたカテコラミン(カテコールアミン)は、血管を収縮させて血圧を上げます。そのほか心拍数や体温を上昇させるので、とても寝付ける状況ではなくなります。体温が上がるということは、寝つくとは正反対の方向です。人は体温が下がっていく過程で眠りにつくからです。
自律神経の乱れは不眠を引き起こしますが、調整できないわけではありません。
もちろん、元になる精神的な悩みを解決することが最もいいわけですが、それがすぐにはできない場合もあります。そういったときは、自律神経を調整することによって不眠症を解消することが可能です。
たとえば、以下のような不眠症対策があります。
もちろん自律神経から不眠を治す方法は、ほかにもいろいろあるでしょうが、上記のことが実践しやすいのではないかと思います。
漢方薬は自律神経を整えるのに、とても良い効果があります。
西洋医学は、患部を治すことだけ、つまり対症療法が特徴ですが、東洋医学の漢方は、自律神経から不眠を治そうします。自律神経が整うと、不眠以外の体の不調も同時に治っていくというメリットがあります。
爪もみ治療は、自律神経を調整して、副交感神経を優位にする効果があります。
あらゆる病気の改善に役立つといわれています。たとえば腹痛がしたら人差し指の爪の生え際、呼吸が苦しいのなら親指の爪をもみます。自律神経と不眠に関しては、とくに小指を重点的にもむといいでしょう。
自律神経で不眠に陥ったとき、呼吸法がとても役立ちます。
また敷居が低く、だれにでも実践しやすいという特徴があります。呼吸は自律神経と密接につながっているのです。簡単に言うと、吐くときは副交感神経が優位になり、吸うときは交感神経が優位なります。
寝るときは副交感神経が優位になる必要がありますから、寝れないときは長めに息を吐くとよいのです。腹式呼吸や逆腹式呼吸がオススメです。もちろん深呼吸するだけでも十分な効果があります。
リラックスすることは、自律神経からの不眠を改善することに役立ちます。
基本はイスに座ったり、横たわるなりして、体の力を抜くようにします。その状態から、さらに体の各部の力を抜いていきます。本格的に行なうとなると、シュルツ博士が考案した自律訓練法がオススメです。安眠CDやリラックス音楽を聴いたり、前述の呼吸をゆったりと行なってもよいでしょう。
リラックスした状態で、楽しいことをイメージすると、さらに自律神経を整えることができます。ふつう想像するというと、色は意識しないかもしれません。不眠を解消する場合は、カラーでイメージすることに挑戦してみましょう。これは、人によってはかなり難しいとは思いますが、これによってかなりリラックスできます。
イヤイヤ食品とは、わさびや唐辛子(カプサイシン)などを想像していただけるとわかると思います。こういったものは、たくさん食べることはできません。体内に、イヤイヤ食品が入ると、胃腸はこれを早く体外に排出してしまおうと働きます。
消化・吸収の働きは副交感神経の役割なので、排出しようという動きが副交感神経を優位にするのです。そうするとストレスと緊張で交感神経に傾いていた体が、副交感神経に切り替わってきてリラックスするようになります。もちろん自律神経からの不眠解消に役立ちます。
ただし寝る直前に摂ると、体温が上がったり胸焼けしたりして、かえって興奮する可能性もあるので、寝る時間から離して摂取しましょう。