不眠症の対策方法と、睡眠薬の副作用や危険性を解説しています。
不眠症対策〜寝付けない夜にTOP > 不眠解消の方法とは? > 寝つきが悪いときはどうする?
寝つきが悪いという場合、ふた通りあります。
一つは、いつも慢性的に寝付けないという人。もう一つは、時々眠りづらいという人。
前者では、生活パターンを見直したほうがよいかもしれません。
たとえば夜遅くにカフェインを摂らないとか、夜は照明を落とし気味にするなどの不眠症対策が考えられます。そのように原因を改善すれば、寝つきが悪い状態もよくなるものです。
後者のケースでは、基本的に不眠症の素質はないのですが、その日たまたまストレスがあったり、いやなことがあったときに発生しやすいといえます。そのほか、翌日に慣れない発表会や試験があると、寝つけないことがあります。
いずれのケースでも、原因は異なりますが、寝付きが悪いということに変わりはありません。そのときは、同じような状況が体内(脳内)で起きているはずです。
寝つきが悪いというとき、別の表現をすれば、体あるいは脳が興奮しているわけです。眠るということは、温度が下がっていって機能ダウンしていく過程です。あたかも電源を切った機械の温度が、だんだん下がっていくようなイメージですね。
しかし寝つきが悪いという状態は、いってみればパソコンの電源を落としたいのに、フリーズしてしまって(無限ループ状態)、なかなかシャットダウンしてくれないわけです。この場合、電源ボタンを数秒押していると、強制的にシャットダウンできますが、これはハルシオンやアモバン、マイスリーなどの睡眠薬に当たります。
しかし睡眠薬は、無理に眠らせるのですから、当然体に負担がかかります。
睡眠薬の副作用や危険性、依存症という問題が伴うのです。できることなら、睡眠の治療薬に頼らずに、寝つきが悪い状態を改善したいですよね?
寝つきが悪いときは、いろいろな原因が考えられます。
寝つきが悪いときは、一言でいえば交感神経が優位になっているということです。もしも副交感神経が優位であれば、すんなりと眠れるはずです。交感神経が優位になる原因は、さまざまです。悩み事であったり、仕事の疲れだったり、体の痛みであったり、カフェインの影響かもしれません。
そういった原因を突き止めて、生活を改善していくことによって、すぐに眠れるようになります。
交感神経を副交感神経に切り替える方法としては、深呼吸や腹式呼吸法、あるいは爪もみ療法が有効です。人によっては時間がかかるかもしれませんが、寝つけない夜は気長に実践して、眠気が出てくるまで待つ忍耐も大切です。
脳内で神経が興奮していると、当然寝つきが悪くなります。
たとえば、仕事のことをあれこれ考えていると、その流れが止まらなくなってしまい、なかなか寝付けないのです。前述したように、パソコンがフリーズしてシャットダウンできないような状態ですね。この場合は、心地よい興奮になります。
そのほか、過去に起きたことに対する悩み事、あるいは将来の不安から、あれこれ考えてしまうと、同様の状態になります。この場合は、辛い興奮状態です。
脳内の興奮性神経伝達物質の流れを止めるためには、前項の呼吸法などが有効です。そのほかホットミルクを飲むことも役立ちます。昔から、眠れない夜に役立てられてきたことはご存じですよね?
牛乳には神経を鎮静化させるカルシウムやビタミンB群が含まれているので、飲んでから30分くらいして、何らかの変化が現れるはずです。これも気長に待ちましょう。
そのほか意識的に別のことを考えるようにすると、不眠症対策に役立ちます。
この場合、イメージの力を利用します。頭の中は、仕事のアイデアとか悩み事がぐるぐる回って、止まらない状態ですから、べつのことにイメージを切り替えるのです。過去の楽しかったことでもいいですし、未来の楽しみをワクワクしながら想像するのでもよいでしょう。あるいは、大自然を想像することも有効です。
寝つきが悪いという時、単に体温が高いから眠れないことがあります。
人には体温リズムがあります。体温が高いときには覚醒し、体温が下がってくるころに眠くなってくるという法則があるのです。
ですから夜型の人は、午後11時ごろは、まだ体温が高いので寝付きが悪くて当然です。これを改善するには、早起きの習慣をつけるしかありません。
そのほか寝る直前に運動を行なったり、風呂に入ったりすると、体温が下がらなくなることがあります。せめて2時間前に行なうようにしましょう。そうすれば体温が下がる働きを助けて、眠りやすくなる効果が期待できます。
寝つきが悪いときは、睡眠ホルモンのメラトニンが少ないためかもしれません。
これは加齢とともに減少するので、高齢者は寝付きが悪くなるのです。メラトニンには睡眠を維持する働きもあり、高齢者の場合、分泌量が減っているので夜中に目覚めやすくなります。
夜型の場合も、夜11時では、まだメラトニンの分泌が始まっていません。
そのために寝つきが悪いと感じられます。メラトニンの分泌は体温と反比例しています。体温が高いと少なくなり、体温が低いと多くなるのです。
メラトニンを増やす方法としては、昼間はできるだけ太陽に当たりながらウォーキングなどをすることです。また食事からトリプトファンやメラトニンを含むものを食べるようにすると不眠対策に効果があります。
睡眠物質は疲労物質から作られます。
疲労物質は、運動することによって作られます。ですから前述のように昼間は外に出て運動することがよいのです。
家の中で一日中だらだらと過ごしていると、体内で睡眠物質に変換できないので、夜に寝つきが悪いという状態になります。
精神生理性不眠とは、「今日も眠れないのでは?」という予期不安をもってしまう不眠症です。この患者さんにウォーキングを取り入れたら、劇的に不眠症が解消した例があるそうです。つまり日中の運動量が少ないために、睡眠物質が少ないということが不眠症の原因の一つなわけです。