不眠症の対策方法と、睡眠薬の副作用や危険性を解説しています。
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漢方薬は不眠症対策として役立ちます。
漢方薬の特徴して、西洋医学の睡眠薬ほどの即効性はないけれど、副作用がありません。反対に現在主流のベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤は、ハルシオンなどになると30分以内に眠くなるほど強烈です。そのかわり夢遊病や健忘、翌日の持ち越しなどの副作用が伴います。
不眠の症状だけではなく、そのほかに倦怠感やめまい、頭痛、肩こり、更年期症状、ほてりなどを伴う場合は、睡眠薬よりも漢方薬で不眠を治した方がよいのではないでしょうか?というのは、睡眠薬を飲むと、めまいや倦怠感がある人は、さらなる悪化の危険があるからです。
漢方薬は不眠だけを治すものではなく、不眠症を一症状として改善させます。
西洋医学のベンゾジアゼピン作動薬は、大脳辺縁系に働きかけて不安を取り除いたり、催眠作用を発揮します。直接脳に働きかけるため、夢遊病や物忘れ、翌日の眠気などの睡眠薬の副作用が起こる危険が付きまといます。
いっぽう漢方薬による不眠治療は、不眠だけを見るのではなく、その根本にある「体質」を改善しようとします。つまり西洋医学は氷山で言うと、水上に出ている「氷山の一角」をなんとかしようとします。それに対して漢方では、氷山の見えない部分を何とかすることによって、水上に見えている氷山の一角をなんとかしようとするわけです。
別の言い方をすれば、睡眠薬による不眠治療は対症療法、漢方薬による不眠治療は、根本から完治させる方法といえます。
西洋医学による睡眠薬は、すでに作られている薬剤を患者さんに当てはめます。
いっぽう漢方薬による不眠療法では、患者さんの体質に合わせて調合を変えます。そのため患者さんの数だけ、薬の組み合わせが出来上がります。言ってみれば、漢方薬の不眠治療はオーダーメイドであり、その人にぴったり合った薬なのです。
ただ漢方薬の不眠治療は、効果がゆるやかで、即効性に欠けるという難点があります。もちろん処方がうまく合えば、早ければ2日ほどで効果を発揮します。場合によっては、効果が現れてくるまでに1週間ほど要することもあります。しかし不眠が強い患者さんは、一刻も早く眠りたいと思っています。心身の疲労は極度に達しているのです。この場合は、西洋医学の睡眠薬を服用するのがよいと思います。
緊急を要する場合は西洋医学、時間をかけて根本から治す場合は東洋医学という位置づけを知っておくべきでしょう。また西洋医学が見放した病気も、東洋医学が受け持つ範ちゅうといえます。
漢方薬の不眠治療には、気、血、水という独特の考え方があります。
解剖学的に、また生理学的に、そういったものが存在するわけではありませんが、イメージとして治療するには有効だと考えられます。
西洋医学において解剖学的に追求しても、人体は不思議だらけで、まだ解明されていないことがたくさんあります。それに対して東洋医学の漢方では、詳細を解明しようとするよりも、イメージを豊かにふくらませて治療していくという立場なのではないでしょうか?