不眠症の対策方法と、睡眠薬の副作用や危険性を解説しています。
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不眠のサプリメントや栄養素は、寝つけない夜に役立つのでしょうか?
結論から言うと、睡眠薬のハルシオンやアモバンのような即効性は期待できません。不眠症のサプリメントを飲んだほうが、飲まないよりはいいという程度です。効くと思って飲めば、それだけで眠くなるということもあります。ただし、睡眠薬のハルシオンほどの効果は望めないにしても、工夫次第では、かなりの眠気をもたらすことは可能です。
不眠のサプリメントというタイトルですが、コツとしては錠剤にこだわらずに、日本食中心の夕食にすることです。なるべく自然の食材の形で不眠症に効く栄養素を摂取し、足りない分は不眠のサプリメントで補うという考え方がよいのではないでしょうか?
それとともに夕食は食べ過ぎず、寝る時間から最低でも3時間は離すことです。
そうしないと睡眠中に胃の消化が始まってしまいます。食事の内容だけではなく、このように食べる時間帯まで考えることが、不眠症対策にとって、もっとも大切なポイントになります。
不眠に効くサプリメントには、以下のようなものがあります。
メラトニンとは体内でも作られるホルモンの一種です。
年齢とともに産生量が減るために、高齢者になると眠りが浅くなったり、夜中や早朝に目覚めやすくなるといわれています。
メラトニンはトリプトファンを原料として作られるので、トリプトファンの摂取量が少ないと、メラトニンの産生量が減少します。太陽に当たるとセロトニンが作られますが、やがてそれがメラトニンに分解されるので、不眠症対策には太陽によく当たることが大切です。
メラトニンを補給するには、メラトニンそのものを摂取する方法と、トリプトファンを摂取する方法の二つがあります。セロトニンは、傾向摂取や点滴では吸収できないといわれています。
メラトニンによる不眠のサプリメントが、海外で販売されています。
しかしメラトニンは、その効果や副作用、摂取量などが医学的に未解明の状態です。本来は体内で作られるホルモンですから、それを人工的に錠剤として摂取することの副作用は、医学的にまだよくわかっていないのです。
しかし自然の食材としてメラトニンを摂取すれば、副作用はないので安心です。
不眠サプリメントとしてのメラトニンは、ケール(青汁)やアメリカンチェリー、ナイトミルクに多く含まれています。
トリプトファンのサプリメントも海外で販売されていますが、できるだけ食材から摂取することをオススメします。トリプトファンが含まれている食材には、牛乳(乳製品全般)、大豆、バナナ、肉類などがあります。
肉類からトリプトファンを脳内に取り込むには、同時に炭水化物を摂取するとよいという説があります。インスリンが肉類に含まれるチロシンを筋肉に追いやってくれるからです。その結果、トリプトファンはチロシンに邪魔されずに脳内に到達できるのです。
そのほか肉類のトリプトファンを取った後、時間を置いて炭水化物を取るとよいという説もあります。べつにインスリン分泌を促さなくても、そのまま脳内にトリプトファンが取り込まれるという説もあります。
カプサイシンは一見、不眠のサプリメントというイメージがないかもしれません。カプサイシンは唐辛子の成分ですが、これを加えて食べると、体が熱くなってきます。刺激物なので、とても不眠症対策に有効とは思えないかもしれません。
しかし、カプサイシンを調味料として加えると、一時的に体温が上がります。
すると脳が反応して、体温を下げようと働きます。この体温が下がるときに、眠気をもよおすのです。
またカプサイシンのような刺激物が体内に入ると、体がびっくりして、早く体外に排出してしまおうという働きが起きます。副交感神経反射によって、胃腸の働きが活発になるのです。胃腸の消化・吸収は副交感神経の働きですから、交感神経に傾いて緊張していた心身がリラックスしてきます。これが安眠に有効に作用すると考えられます。
そのほか不眠のサプリメントや栄養素には、グリシンがあります。
グリシンはアミノ酸の一種で、体内でも産生されます。食材としては、えびやホタテに含まれています。
グリシンを摂取するには、寝る前が適しているので、不眠のサプリメントとして飲むのがオススメです。寝る前に、まさかエビやホタテを食べるわけにはいきませんからね。
グリシンの効用は、眠りを深くすることです。
そのため、夜中に中途覚醒して困っているという人にオススメです。高齢者はメラトニンが少ないために夜中に目覚めるのですが、グリシンという不眠のサプリメントを摂ることも有効です。
グリシンの摂取によって眠りが深くなれば、成長ホルモンの分泌が活発になるので、次のような効果が期待できます。
ただし眠りを深くするグリシンの不眠サプリメントですが、寝つけない夜には、あまり期待しないほうがよいでしょう。あくまでグリシンは眠りを深くするためのもので、眠れないという症状には効かないのです。
不眠のサプリメントは、食材で摂取できない場面だけに活用するとよいでしょう。たとえばグリシンのように、寝る前にエビやホタテを食べるわけにはいきませんから、そういったときにだけ摂取するわけです。
それ以外は不眠症のサプリメントではなく、できるだけ食事から不眠解消の栄養素を摂取することが大切です。
不眠解消に効果的な栄養素には、以下のようなものがあります。
トリプトファンは、すでに解説しました。
カルシウムは神経のイライラを鎮める作用は、よく知られていますね。マグネシウムはカルシウムの吸収を助けます。カルシウム2に対して、1の割合で摂取するのが理想といわれています。マグネシウムを摂取しないで、カルシウムだけを摂取しても意味がありません。カルシウムが細胞内にあふれてしまって、痙攣やふるえが発生したり、かえってイライラすることがあります。
そのほかマグネシウムは、セロトニンの生成にも関与しています。
トリプトファンが体内でセロトニンになり、最終的に睡眠ホルモンのメラトニンになることを考えれば、マグネシウムは眠りに不可欠の成分であることが分かります。マグネシウムはゴマやアーモンド、カシューナッツなどの種実類に多く含まれています。
そのほかギャバは味噌、醤油、玄米に多く含まれています。
ハルシオンなどのベンゾジアゼピン系の睡眠薬もギャバを強めるものですし、市販の睡眠改善薬グッスミンにも、ギャバが配合されています。発芽玄米には、通常の玄米の数倍から数十倍ものギャバが含まれているといいます。
少量の酒は、ギャバを増やしてノルアドレナリンやドーパミンといったカテコラミンを減らします。そのために眠くなってくるわけですね。ただし飲み過ぎるとアルコール依存症になって、かえって不眠症の原因になるので要注意です。
不眠のサプリメントもありますが、できるだけ食材で硫化アリルやビタミンB12、DHAを摂取することも、不眠症対策に役立ちます。硫化アリルはネギに含まれているので、トリプトファンを含む納豆に、ギャバを含む醤油をかけ、ネギを振り掛ければ、簡単に快眠食を作ることが出来ます。
付け加えれば、アミノ酸の補足効果を狙って、ごはんも一緒に食べましょう。
青魚を食卓にのせれば、ビタミンB12やDHA、EPAを摂取できて、寝つけない夜に役立ちます。結局、日本食さえ食べていれば、不眠のサプリメントは最小限に抑えられるのです。