不眠症の対策方法と、睡眠薬の副作用や危険性を解説しています。
不眠症対策〜寝付けない夜にTOP > 不眠解消の方法とは? > 不眠対策に運動を活用する
不眠対策というと、食事や運動、リラックス法、体内時計の調整などいろいろありますが、ここでは不眠と運動に焦点を絞って解説します。
不眠対策に運動は、有効です。
精神生理性不眠症の患者さんが、有酸素運動の一種であるウォーキングを始めたら、不眠症が改善したという例があるほどです。運動量を増やせば、余計なことは考えなくなるわけです。昼間に家の中でダラダラ過ごした夜は、寝付きにくいということは、誰しも経験から知っているものです。
運動は2種類に大きく分けられます。
軽めのエクササイズである有酸素運動と、激しい動きを伴う無酸素運動です。
有酸素運動とは、呼吸が楽にできるエクササイズで、ウォーキングや軽いジョギング、入浴などがあります。そうです、お風呂に入ることも有酸素運動のうちなのです。有酸素運動を続ける自信がない人は、有酸素運動を温めの入浴に置きかえてください。
いっぽう無酸素運動というのは、筋力トレーニングや全力ダッシュなど、あまり呼吸をしている暇がないような激しいエクササイズのことをいいます。
さて、不眠対策には、どちらの運動も有効です。
しかし、運動を行なう時間を間違えてしまうと、薬は毒となり、かえって不眠症を助長してしまうので注意しましょう。
結論から言うと、寝る2時間前に有酸素運動を行なうと、寝るころにちょうど体温が下がってくるので、不眠症対策に有効です。人は午後8時くらいに体温が最高に達します。ですから、この前後に有酸素運動を行なって、さらに体温を上げておけば、2時間後にいつもよりも体温がグッと下がるのです。体温が下がると脳が機能ダウンし、眠くなってきます。
もし寝る直前に有酸素運動をしてしまうと、布団に入っても体温がなかなか下がらずに、寝付けないことになります。ましてや寝る前に筋力トレーニングなどをしたら、不眠症の原因になります。これが先ほど言った”毒”になるという意味です。しかし、寝る前に行なうと”毒”になる有酸素運動や無酸素運動でも、適した時間に行なえば、不眠対策に役立ちます。
筋力トレーニングをすると、体温が下がるまでに有酸素運動よりも、もっと長い時間を必要とします。ですから寝る3時間以上前までに済ませるのがオススメです。3時間以上前までなら、とくに決まった時間はありません。
有酸素運動は体温を下げることによって、不眠対策に有効でした。
いっぽう無酸素運動は、疲労感によって不眠症改善に役立つのです。体を酷使すると、体内に疲労物質が作られます。ストレスホルモンは分解されると、睡眠物質となります。これが作られると、眠くなってくる仕組みがあるのです。寝不足のときに、ちょっと居眠りをしただけでスッキリとするのは、睡眠物質が分解されるからです。
人が夜眠るのは、日中に発生した体内の睡眠物質を分解するためともいえます。
これは、眠ることでしか分解できないようになっています。そして筋トレなどの激しい運動は、体内に劇的に睡眠物質を増やすのです。
とは言っても高齢者など、激しい運動ができない人もいるでしょう。
しかし激しい運動以外でも、睡眠物質を増やすことは可能です。それは昼間に太陽に当たることです。それだけで体内に睡眠物質が作られ、不眠対策となります。日向ぼっこでもよいのです。
また太陽に当たると、脳内にセロトニンが大量に作られます。
それが夜になるとメラトニンに分解されます。ウォーキングなどの単調な動きによっても、セロトニンが作られるので、太陽に当たりながらウォーキングすることが、もっともオススメです。
まとめると、昼間は太陽の光に当たりながらウォーキングをして、睡眠物質とセロトニンを蓄える。そして寝る2時間前は、寝るころに体温を下げるために有酸素運動を行なう。この二つが不眠対策にオススメの運動法です。