不眠症の対策方法と、睡眠薬の副作用や危険性を解説しています。
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不眠と中途覚醒の問題について解説します。
不眠症は4つに分類できることは、ご存じだと思います。
入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害です。中途覚醒はこのうちの一つで、夜中に目覚めたきり、それ以降寝付けない状態になる症状です。
不眠が中途覚醒として現れるのは、それなりの原因があります。
まずは、主要な原因を考えてみましょう。たとえば以下のような要因があります。
不眠が中途覚醒になる場合、加齢が関わっていることがあります。
高齢になると、どうしても眠りが浅くなるため、ある意味仕方のないことだといえます。
どうして高齢になると、中途覚醒の不眠症となるのでしょうか？
それは、睡眠ホルモンであるメラトニンの減少と関係があります。メラトニンは暗くなってくると、脳内の松果体から分泌されてくるホルモン。血圧や脈拍、体温を下げることによって、眠気をもよおし、一晩中睡眠を維持する役割があります。
高齢になると、そうした働きをもつメラトニンが減少するために、どうしても一晩中眠りを維持できなくなり、中途覚醒という不眠が現れるのです。
メラトニンの減少は、脳内での産生量が加齢とともに減るためであり、ある意味仕方のないことです。しかし、メラトニン量を増やすことは可能です。この場合の不眠症対策のポイントは、次の点を実行することです。なお、この不眠症対策は、若い人でも同様に当てはまります。
昼間に太陽に当たる（日向ぼっこなどをする）と、体内にセロトニンが作られます。セロトニンは脳内でメラトニンに分解されるので、不眠と中途覚醒の減少につながります。ウォーキングしながら太陽に当たれば、疲労感によってよく眠れる効果も期待できるので、オススメです。
メラトニンやトリプトファンを、食事やサプリメントから摂取することもオススメです。メラトニンはケールの青汁とかアメリカンチェリー、ナイトミルクに含まれています。食材としては、あまり多くないので、上記のいずれかになります。
トリプトファンは脳内でセロトニンに変わり、最終的にメラトニンに分解されます。トリプトファンを含む食材としては、牛乳などの乳製品、大豆、小麦胚芽、ゴマ、バナナなどに含まれています。セロトニンは、経口摂取や点滴では体内に取り込めないことを知っておきましょう。メラトニンかトリプトファンの形で摂取することになります。
セロトニンを多く産生する習慣をつけることも、不眠と中途覚醒の解消に役立ちます。セロトニンは、脳内でメラトニンへと分解されるからです。うつ病の人は、セロトニンの産生量が少ないために、必然的にメラトニンの分解が少なくなります。そのため、うつ傾向にある人は、積極的にセロトニンを増やす習慣をつけるとよいと思います。
セロトニンを増やす方法として、よく噛む、単調な運動（ウォーキングなど）、音読、太陽に当たるなどがあります。前述した日光に当たりながらのウォーキングは、セロトニンを多くする方法としてオススメです。また高齢の方は、消化を促すためにも、よくかんで食べるとよいと思います。これらをすべて実行すれば、不眠と中途覚醒の悩みは、かなり解消すると思います。
そのほかアルコール（お酒）を飲むと、不眠になり中途覚醒しやすいということがあります。これは尿意をもよおすこともありますが、それ以外に肝臓での毒素の分解が原因しています。アセトアルデヒドという毒素を分解するときに、交感神経を刺激するために、目が覚めやすくなるのです。また眠りが浅いため、中途覚醒して不眠になるということもあります。
運動不足によっても、不眠と中途覚醒が現れがちです。
体の疲れが少ないと、眠りが浅くなります。深い眠りというのは、体の疲労を取るためにあるからです。若い人が深い眠りなのは、体の疲労を取るためであり、体を成長させるためです。もし体の疲労が少なく、また成長させる必要がない場合（高齢者など）、どうしても眠りが浅くなります。その結果、レム睡眠のもっとも浅い段階で目覚めやすくなるのです。
ハルシオンやアモバン、マイスリーといった睡眠薬によっても、不眠と中途覚醒が起きる可能性があります。ハルシオンを服用すると、たしかに30分以内に眠くなってきます。しかし薬剤の血中濃度が半分になる「血中半減期」がすぐやってくるために、夜中に中途覚醒しやすくなります。つまり効きやすい反面、切れるのも早いということ。ハルシオンの副作用として、中途覚醒後に夢遊病のように起きだして行動する危険があるため、要注意です。